桜美林学園は、1921年、創立者・清水安三が中国で設立した小さな学園からはじまり、現在では幼稚園・中学校・高等学校・大学・大学院に1万2千人余が学ぶ総合学園へと発展し、これまでに12万人を超える多様な人材を輩出してきました。建学の精神やスクールモットー「学而事人」のもと、「キリスト教精神を礎とする学園として、教育においても研究においても誠実に真理を求め、愛を持って隣人に仕えることのできる人材を、教育を通じて世に送り出すこと」を使命としながら、どのような状況にあっても希望を失うことのない精神を育成・引き継ぎながら、教育・研究活動に取り組み、数々の斬新かつユニークな試みにも挑んでまいりました。
私たちは現在、未曽有の激動の只中に置かれています。まず、2023年の出生数はおよそ75万人となり、8年連続で過去最少を更新しております。この歯止めが利かない少子化に加えて、国際情勢の緊張の高まりは、学生の国際交流にブレーキをかけるとともに、若年層の価値観にも大きく影響を与えることでしょう。さらに、アフターコロナ時代の到来や生成AIに代表されるテクノロジーの急速な進歩、経済成長の鈍化など、私たちを取りまく環境を変化させる要因は、枚挙に暇がありません。
このような中、本学園では、ガバナンスの在り⽅についての検証を⾃律的に進め、その調査報告と提言に基づき改善に向けた取り組みを進めております。公正性を担保した組織マネジメントの整備は、2025年度に迎える私学法の改正に合わせて抜本的に見直すなど、今後もコンプライアンスとガバナンスを強化し、教育・研究の質の向上に資する運営体制を確立していきます。
さらに、本学園は、「質の高い教育と学生・生徒・園児サービスの提供」を通じ、「学園生活満足度の最大化」に取り組んでおり、誰もがのびのびと主体的に学べる環境、答えを共に見つけようとする姿勢が息づいていることが実感されます。予測困難な時代の中、いつの時代でも変わらない建学の精神に基づきながら、時代の変化と社会のニーズに応じて提供する教育内容を柔軟に整え、教育、さらには社会全体のより良い未来に向けて、引き続き学園一丸となって取り組んでまいります。