“自分の道を突き進む”たくさんの個性たちが出会い互いに磨き合うのが桜美林 #51

不寛容さが強まる社会の中で
芸術の力を信じて

#51

劇作家・演出家・小説家

市原佐都子さん

2010年度 総合文化学群 演劇専修卒業

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俳優を志していた在学中は、個性豊かな人たちと寛容な雰囲気に守られ、自由に演劇に没頭していました。劇作・演出を手掛けるようになった今、当時とは逆に自分が人に対して広い心を持ち、自由な表現を促すことが多くなったように思います。ただ最近は、そんな寛容な空気の中で個々が力を発揮することが、ますます難しい状況になっているとも感じます。自分が受け入れられないものをSNSなどで過剰にバッシングする風潮が強まり、演劇においても表現に息苦しさを感じることが多くなりました。もちろん人を傷つけない、危険にさらさないことは大切ですが、そこに気を遣い過ぎるあまり、自分を見失っていくような感覚を覚えるのです。特にコロナ禍の今、分かりやすくて何かに役立つ作品しか許されないような雰囲気があります。でも、社会への違和感や生理的な感覚を作品に落とし込み、人に伝える力が芸術にはあるはずです。私はその力を信じて創作を続けていきたいですし、不寛容さが増す今だからこそ、桜美林には表現の芽を摘まない場所であり続けてほしいと思います。大学時代のことを思い出しながら、私も今また、再び自分の感覚を見つめ直しているところです。

(所属・肩書は2021年度取材時点のものです)

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